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線連絡により、ただちに第二出動を指令(九時四六分)して消防隊の強化を図った。

 

三 火災の状況
最先着隊である南小隊から現場到着時の状況は、「三棟の木造平屋建ての物置兼作業所が最盛期の状況で炎上中であり、なおも隣接する木造二階建ての一般住宅及び二階建ての木造アパートに延焼中である。」との情報が入った。

 

四 活動状況
最先着隊の南小隊は、直ちに現場南側の地下式単口消火栓に水利部署し消火作業に入ったところ、付近の住民の騒ぎによって居住者の一人の所在が不明であることを聞知した。
直ちに隊員二名が捜索を開始し、数分後に所在が判明、近所の家に避難していることを確認した。
現場付近の水利状況は、地下式消火栓三基の他、農業用水路があり条件としては、良い地域である。最先着隊の防ぎょ戦術の態様としては、攻勢防ぎょによる火点への直接注水を行い、火勢の衰弱を図り、後着した署隊、消防団隊は挟撃戦術による屋外からの注水を実施、延焼防止に努めた。救助隊は、消防隊から援護注水を受けアパート室内に進入したが、吹き出す濃煙と熱気により消防隊筒先要員の進入は阻まれ、容易に消火作業ができない状況であった。延焼経路が一階天井裏と二階小屋裏と判断した現場指揮者は、隣室の燃えていない二階部分の天井の一部の破壊を指示し、噴霧注水を行い濃煙の排除と火勢の鎮圧を成功させた。数分後、他の建物の消火活動の終了を確認し、全てのポンプ車両に放水中止を指令し現場待機させた。
半焼に止めたアパートの二階天井裏部分に残り火を予測した指揮者は、さらに天井裏を破壊し残り火の検索を指示、予測どおり小屋裏の一部分に黒煙と小炎を確認、直ちに消火活動を行い、鎮火に至った。

 

まとめ
本件の火災原因は、。こみ焼き行為者の供述及び実況見分調書により、ごみ焼却中の飛び火による失火と判定されるが、ごみ焼却行為に対して、富士市火災予防条例では、「小規模なごみ焼却についても、火災とまぎらわしい煙を発する行為の届出をすること(口頭または電話でもよい)」とされているが、本件では、届出されていなかった。
焼却場所が建物の近くであったこと、この間には竹垣があり枯れた笹葉も地面に落ち堆積していたこと、また、南南西の風三・一m/Sが吹いている等の状況であったことから、焼却場所としては不適当な場所であり、気象状況によっては、火災を発生させる確率は高かったことが思考され、水バケツ・消火器等を用意するなど、火災発生を危慎する最低の注意心があったならば、火災を発生させることはなかったものと思われる火災であった。
(町田英二)

 

救急

県下女性消防団員対象の普通救命講習会
龍野市消防本部(兵庫)

 

はじめに
当市は、兵庫県の南西部に位置し、地勢はおおむね平坦地で市域のほぼ中央を流れる揖保川は、流域の文化産業の中心地である龍野を育てて来ました。

 

 

 

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